「アプリは Word や Excel を少し使うくらいで、あとはインターネットとメールの利用がほとんど。だから少し古いけどWindows XPでも全く不自由ないので使い続けたい」といった声を聞くことがあります。
確かにまだ使えているPCを買い替えるのはもったいないように感じますよね。
Windows XPが発売されたのは2001年。10年以上経つのに今だに使い続けられているということは、それだけ使いやすい、愛すべきOSだということでしょう。
けれど、マイクロソフト社によるWindows XPの延長サポートは2014年4月9日に完全に終了しています。
延長サポートが切れるとどんなリスクがあるのでしょうか。
ここでは、サポート切れOSの危険性と、買い替えに伴うPC廃棄時の注意点についてみていきましょう。
サポート切れOSに潜む危険性とは?
サイバー攻撃を仕掛ける人たちは、日々、OSやアプリケーションのどこかに付け入る隙がないかを探しています。こうして見つけた隙をセキュリティホールといいます。
新たなセキュリティホールを悪用したトロイの木馬型ウイルスに感染したり、バックドアを仕掛けられたりすると、PCの中の個人情報が知らない間に盗み取られたり、大切なデータを破壊されたり、金銭を騙し取られたりするかもしれません。
こうした攻撃を回避するために、OSやアプリの配布元は、新たなセキュリティホールが見つかるとそれを塞ぐためのセキュリティパッチを配布します。
「延長サポートが切れる」というのは、このような対応をしなくなるということです。つまり、新しく見つかったセキュリティホールは、そのまま開きっぱなしになってしまいます。
「自分のPCには大切なデータはないから大丈夫」と考える人もいるでしょう。けれど、PCを乗っ取られて他人への攻撃の足掛かりにされると、あなたが犯罪者になる可能性があります。
あなた自身が行った攻撃ではなくても、友人や知人に迷惑をかけたり、社会的な信用を失う可能性もあります。
このような攻撃はウイルス対策ソフトを利用することである程度塞げるものの、100%塞ぐことは難しいのも事実です。危険を回避するための最も確実な方法は「サポート切れのOSは使わない」ということにつきます。
買い替えまでの期間、XPを守るウイルス対策ソフトは?
あくまで「サポート切れOSはウイルス対策ソフトだけでは対策は不十分」というのを踏まえた上で、買い替えまでの期間限定でXPを守るために利用できるウイルス対策ソフトは次のものです。
- ESET Internet Security(終了予定なし)
- Webroot インターネット セキュリティ プラス(2019年4月まで)
- ノートンセキュリティ(当面の間)
他のウイルス対策ソフトはXPのサポートを終了しているものがほとんどです。
また、無料ウイルス対策ソフトの中にもXPをサポートしているものがありますが、少しでも安全性を高めるためには有料ウイルス対策ソフトの利用をおすすめします。
ただし、どのウイルス対策ソフト販売元も、可能な限り速やかにOSを移行することをすすめています。
これだけは守りたい、 PC廃棄時の注意点
Windows 10が販売開始となり注目を集めています。今、XPから乗り換えるなら、使い勝手からもセキュリティ面からも、やっぱりWindows 10がおすすめ。
となるとOS乗り換えというよりは、PCの買い替えになりますね。ここで注意してほしいのが、古いPCをそのまま廃棄することの危険性です。
PCのハードディスク上には意外に個人情報が詰まっています。たとえば次のデータです。
- メールや年賀状送付のためのアドレス帳
- 自分や家族の写真
- ネットショッピングで入力した住所や電話番号、クレジットカード番号などの一時データ
- ネットバンキングの口座情報、暗証番号など
こうした情報はゴミ箱を空にしたり、ハードディスクを初期化しただけでは完全には消えません。
悪意のある人が専用のツールを使えば、初期化されたハードディスクから簡単に元のデータを復元できます。お金を払って廃棄業者に頼んだとしても、廃棄業者が善人とは限らないので、個人情報は責任を持って自分で消去したいですね。
最も完全な方法は、PCのフタをあけてハードディスクを引っ張り出し、ハンマーなどで物理的に壊してしまうことです。けれど初心者にとっては難しいかもしれません。また、物理的に破壊してしまうと、中古業者には引き取ってもらえなくなる場合もあります。
ウイルス対策ソフトの中にはデータを完全に消去する機能がついているものもありますので、こうした機能を利用しましょう。データを完全に消去する機能は
- ウイルスバスター クラウド 10
- マカフィー リブセーフ
などで利用できます。